PDCAサイクルの活動からはイノベーションは起こらない。

先日、ある東証プライム上場企業に勤める友人と久しぶりに一席を興じた際、新事業創発部門に異動してから、なかなか思うような結果を出せない、という苦労話を聞いた。
彼は、20年にわたり製造部門及び品質管理部門で力をつけ、ラインマネージャーとして早くから才覚を現し活躍していたが、昨年、上司からさらなる期待を受けての異動になったらしい。 彼は、徹底してPDCAサイクルを回すことで、トラブルを減らし、高品質の成果を上げてきたようだったが、新事業創造は初めてのことで、自分の成功体験が当てはまらないことに、焦っているようだった。
それもそのはずだ。
PDCAサイクルは、過去からの学習であり、やり方(改善する方法)の検討対策に終始してしまう。進捗定例やレビュー会といった時間集約的、労働集約的な活動を続けては、PDCAサイクルから抜け出すことは不可能だ。

MITや清華大学で研究を重ねた、オットー・シャマー氏が唱えた「U理論」を、日本に紹介し自ら企業向けにコンサルティングを展開している中土井 僚氏によれば、 Uカーブの活動は、イノベーション、未来からの学習であり、自身の内面のあり方、意識の変容が必要であることが提唱されている。

形式的なブレストや、ワーキングを重ねても結果にはつながらず、自らの意見を保留し、他人の立場になって学び 、過去の行動や思考への内省、素でダイアログができるための自己開示、 自身が手放す過去のもの 、そして、踏み出す勇気、がわかりやすくUカーブの階層活動として、アンチテーゼされている。

https://www.authentic-a.com/(オーセンティック・ワークス 中土井 僚氏 公式ホームページ)