谷川俊太郎 「冬に」

2022年9月19日

ほめたたえるために生まれてきたのだ ののしるために生まれてきたのではない

否定されるために生まれてきたのではない  肯定するために生まれてきたのだ

無のために生まれてきたのではない  あらゆるもののために生まれてきたのだ

歌うために生まれてきたのだ  説教するために生まれてきたのではない

死ぬために生まれてきたのではない

2005年頃、東京都人権啓発センターのポスターに、谷川俊太郎氏の「冬に」が掲載されていました。 電車広告でも、当時このポスターをよくみかけました。 満員の通勤電車の中で、このポスターを見た男性が突然、涙していたシーンが思い出されます。

子供に手を挙げる親は、少なくなったといわれますが、子供のとった幼稚な行動を頭ごなしに叱ることは、親ならば誰しも経験していることだと思います。 その時、

「こんな幼稚な行動を叱らない親は、しつけがなっていない親だ。だから叱って当然だ。」

「こんなみっともないことをして、親として恥ずかしい。叱ってやめさせたい。」

「自分もこうやって叱られたのだから、自分の子供を叱って当然だ。」

このような感情に支配されてはいないだろうか。 本当に子供のために叱っているのだろうか。 本当は、自分の感情を正当化するために、子供を叱っているのではないでしょうか。

https://twitter.com/ShuntaroT (谷川俊太郎氏 公式ツイッター)